うつ病という事件は心ではなく身体で起きている

こんにちは。
自律神経専門整体 四谷三丁目整体院の中澤です。

突然ですが、「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ。」という一節をご存じですか?
2000年代の有名なドラマのセリフです。色々な言い換えがされたこのセリフになぞらえて言うならば、うつ病という事件は心(会議室)ではなく身体(現場)で起きています。

うつ病は心の病気では?

そう思われる方も多いかと思いますが、うつ病は身体の病気であり、その予兆やメカニズムも身体にまず表れます。

今回は、うつ病が身体のなかでどの様なメカニズムで生まれているのかを知っていただき、予防や早期改善に役立てるようにお伝えしていきます。

≪目次≫

  1. うつ病はガス欠状態
  2. 燃費を悪くする3つの生活習慣
  3. 壊れる前にメンテナンス

1.うつ病はガス欠状態

うつ病というのは、例えるならガス欠状態です。
ガス欠というのは、車のガソリンが無くなった状態です。エンジンを動かす燃料が無くなったら車は走れません。

同じように、人の身体も動かす燃料が底をついてしまうと動けなくなります。それがうつ病です。

しかし、うつ病のことをよく知らない人は「気合いが無いからだ」「甘えている」「後ろ向きな性格だから」という様に精神的な原因をあげつらいますが、まったく的外れです。
ガソリンが空の車にいくら「がんばれ!走れ!」と怒鳴っても走るわけがないのと一緒で、うつ病の人に精神論を説くのはお門違いです。

ガソリンが切れたらどうしますか?
車であれば、ガソリンスタンドに行って給油を行いますよね。

車と違うのは、人の場合の燃料は外から補給するものではなく、身体のなかで作り出すものなので、車の様に給油をすればすぐにまた走り出すことはでいません。

では、人の場合のガソリンとはなにか?

それはATPと呼ばれる細胞内に作られるエネルギーで、平たく言うと酸素がエネルギー源です。

タンパク質やブドウ糖、脂質も燃料ではありますが、実はあまり燃費がよくありません。しかも、これらは食事として摂り込まなければならないので、摂りこむ為に胃腸を働かせるエネルギーを消費するので効率が悪いのです。

ATPは呼吸によって酸素を取り込むので、効率が良く、燃費も良い、しかも空気を吸えば手に入るのでリーズナブルです。

そこで疑問となるのは、息を吸えば手に入る燃料があるのに、なぜ燃料切れを起こしてしまうのか?

その答えが、作り出す以上に消費する燃料が多い=燃費の悪い生活習慣をしているということです。

2.燃費を悪くする3つの生活習慣

身体の燃料ATPは呼吸によって作れますが、それ以上に燃料を消費する生活を送っていれば自然とガス欠状態になります。

身体にとって最も深刻なことは死です。
うつ病は、放っておくと燃料切れで死んでしまう前にブレーキを踏んで止まろうとする、ある意味で緊急装置のような働きとも言えます。

それでは、それだけ燃費が悪くなる生活習慣にはどんなものがあるのでしょうか。

ここでは代表的なものを3つご紹介します。

 

『姿勢が悪くデスクワークが多い』

1つ目は『姿勢が悪くデスクワークが多い』という生活習慣です。

意外かも知れませんが、動かず体力を使っていなさそうなデスクワークこそ、もっとも燃費の悪い習慣と言えるのです。

その理由は、呼吸です。

身体の一番の燃料ATPを作りだすには酸素が必要です。呼吸が浅いと酸素が不足してATPが減少してしまいます。
デスクワークの方は心当たりがあると思いますが、ほぼ100%猫背になっています。これは本人が悪いのではなく、椅子に座って机の上で作業する、という方法が猫背にならないとできないスタイルなので仕方ありません。

仕方ないのですが、猫背になると肺を圧迫してしまい、気付かないうちに呼吸が浅くなります。1日8時間デスクワークだとすると3分の1は酸素不足の生活です。加えて、通勤や家で過ごす時も座っている時間があるでしょうから、2分の1くらいは占めているかも知れません。

更に、それが何年も続けば癖になって寝ている間も呼吸が浅くなるので、実質1日中酸素不足になってしまいます。そして、とどめのマスク生活。

座っている時間が長いとそれだけうつ病のリスクを引き上げてしまうのです。

『消化に悪い食事が多い』

2つ目は『消化に悪い食事が多い』です。

消化に悪いものの代表と言えば、

・肉類
・油っこいもの
・小麦粉
・乳製品
・砂糖

これらを多く使用している食品は胃腸が消化吸収する時に多くのエネルギーを消耗します。
よく甘いもの(ブドウ糖)は脳のエネルギー源として、疲れた時の補給に良いとされていますが、それを身体の中に摂りこむ時にエネルギーを消費しているので全体としては効率が良くありません。

しかも、添加物が含まれていれば吸収した後にそれらを解毒して排泄しなければならないので、余計に仕事が増えて身体は疲れてしまいます。

基本的な栄養素として、食事は大切です。
しかし、燃費という視点で見た時には、食事の摂り方が返ってマイナスの効果となっていることも現代食では起こりがちなのです。

『まともに休んでいない』

3つ目は『まともに休んでいない』です。そもそもですが、うつ病になる方は休まずにがんばり過ぎる傾向にあります。

ここで大事なのは、身体にとって休むというのがどういう状態か、です。

一日仕事をがんばったので、家に帰ってビールを飲みながらつまみでお腹を膨らませてYouTubeで動画を観てリフレッシュ!

例えばこれは休みにもリフレッシュにもなりません。
精神的にはすっきりするかも知れませんが、身体はまったく休まらないのです。

ビール⇒内臓負担
つまみ⇒内臓負担+栄養不足
YouTubeで動画⇒目と脳の疲労

という具合です。

他にも、休日に家族と観光地に出掛けたり、友人とランチに行ったり、ゲームをして過ごしたり、人それぞれのリフレッシュの仕方があると思いますが、身体を休ませるという点において最も良い方法はひとつだけです。

ただただ寝る。

これに尽きます。ただ寝るだけです。スマホを見ることもせず、ただ寝ます。寝付けなくてもいいので目を瞑って布団にくるまっている状態が、身体にとって一番の休息になります。
次点で、スマホも財布も持たずにただ散歩する、です。

こういう本当に「何もしない」ような時間を苦痛に感じてしまうのもうつ病の方の特徴なのですが、それはそういう時間を過ごせないから疲労が溜まってうつ病になりやすいのだ、と理解してください。

3.壊れる前にメンテナンス

うつ病は本当に動けなくなってしまう前の緊急装置、という事を先述しました。
これは大袈裟な表現ではなく、本当に身体にとってエネルギー切れは深刻な状態なのです。そのまま行けば身体が壊れてしまうので、そうなる前に「止まってくれ」と身体がブレーキを踏んでいる状態です。

そう考えると、予防として大事なことの一つは、メンテナンスをしておくことです。
車が定期的に車検を通すのと同じように、致命的な故障になる前にチェックを受けてメンテナンスを受けることは人の身体も同じ様に大切です。

車は部品の替えがありますが、自分の身体はひとつだけです。

病院の診察やカウンセリング、整体やマッサージでも構いません。身体を専門としているお店でチェックを受ける習慣を持つことがうつ病を予防する習慣の一歩目です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
うつ病は原因不明の気分障害と言われており、その対処や予防もあいまいなものが多いですが、メカニズムとして身体の中でガソリン切れが起こっているんだ、ということがお分かりいただければ、対策もしやすくなると思います。

特に大事にしていただきたいのは、
・ちゃんと休む
・メンテナンスを受ける
の2つです。

ガソリン切れを起こす悪い習慣を減らしていき、この2つを新しい習慣として取り入れていただくと、うつ病のリスクをかなり減らすことができます。

是非、これからの生活にお役立てください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加